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マイカー

9年間お世話になったマイカーは最近心臓衰弱になったようで、よくギギと言っているのです。今年の6月ちょうど車検を受けなければいけないから、次の車に買い替えたらと車屋さんだけではなく家族にも言われています。だけど、今の車を捨てることをなぜか凄く辛く思っています。その理由は車って私にとってはただの生活用品ではない、パートナーです。9年前の6月、自動車免許を取って人生最大の買い物―車を買いに行ったときのことは今でも記憶新しい。手続きのあと、店員に鍵を渡されて、もう待ちきれなくてすぐ乗ってしまい、ピカピカのミラーが眩しかった。それに新車独特のにおいがぷんぷんと鼻に入りこんで。今日からもう一人親友(または居場所)が増えたと考えるだけても唇が震えるほど興奮していました。それ以来雨の日も風の日も、この車のおかげでいろんなところに行くことが出来て、いろんな人と出会うことができたのです。この9年間、私は営業から通訳、外国人向けの窓口、そしてレストラン経営へと4回も転職しました。一番ストレスがたまりやすい通訳の仕事をしていたころのことを思い出します。会場へ向かう途中、サンドイッチをほおばりながらこの車の中で資料を必死に暗記していました。無事に仕事を終えた後、達成感と開放感が一遍に湧き上がり、リラックスしようとして何時の間にか眠ってしまったこともよくありました。悲しい時も嬉しい時も人の前に出せない感情を、この車の中に気を使わず自由に表すことができました。私のにおいでいっぱいのプライベート空間としていつも黙々とサポートしてくれたマイカーと別れるのは本当に容易ではありません。

 



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