《ポイント》

◇中国語の目的語はふつう動詞の後ろに置かれますが、介詞「把」は「・・・を」という意味で、目的語を動詞の前に引き出す働きを持っています。次の例文をみてください。

 Qǐng bǎxiāngzi dǎkāi
A:请 把箱子 打开.
(スーツケースを開けて下さい)
>>>音声

  Wǒ bǎfàn shāohúle
B:我 把饭 烧胡了,
   bàba bǎwǒ zòuleyídùn
   爸爸 把我 揍了一顿.
(私がご飯を焦がしたから、
>>>音声     父は私を叩きました)

上の例文はそれぞれ、
Aは、目的語「箱子」が、
Bは、目的語「饭,我」が、介詞「把」によって動詞の前に引き出されています。
しかし、次の二つの条件を満たさないと、こうした使い方ができません。

(1)「把」によって引き出される目的語は、特定のものでなければならない
(2)動詞には、何らかの付加部分が付いていなければならない

(1)の「特定のもの」とは、話の中でどれであるか特定できるものを指します。既知のものと言い換えてもいいでしょう。
上の例文の「箱子」「饭」「我」はそれぞれ、
「どのスーツケースか」「どの料理か」「誰か」、などが特定できます。

(2)は、動詞1語だけでは使用できないということです。例文のように
「打+开」「烧+胡」「揍+了一顿」など。