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第16回 中国映画界に春風

             −正月映画によって感じたこと

              爆竹の声中一歳除き
              春風暖を送って屠蘇に入る
              千門万戸憧憧たる日
              総て新桃とって旧符に換う

                       (宋 王安石)

中国の旧暦正月 ― 春節(1月22日)がもう目の前!

子供たちは首を長くして、お年玉を、大人たちは(中央テレビ局主催)春節芸能番組を見たり、家族そろっておせちを食べたり、袖をたくし上げて思い切りマージャンをしたりすることを楽しみにしています…お正月は、中国人皆にとって大事な日です。

近頃、前述した従来していたことに新たな楽しみが加わりました。それは「正月映画の鑑賞」です。

6年前誕生した正月映画は、そもそも春節エンターテメント市場におつまみ的なものとしてつくられたので、それが定番のものになろうと誰も予想できませんでした。しかし、公開されて大変ヒットし、「お正月といえば、正月映画だ」というイメージが誰もが持つようになったのです。

正月映画をめぐって一ヶ月以上の討論が繰り広げられ、一連の社会的反響が引き起こされています。(正月映画がほとんどコメディー)人々は腹を抱えて笑った後、(内容について)深く考え込むようになり、「正月映画現象」を生み出すまでになってしまうのです。

正月映画はその年の最も優秀な作品とは限らないですが、最も注目を集めています。映画関係者は、正月映画からヒントを得て、自分の作品に応用し、より完璧なものを追求するようになり、一方、観衆はそれらから新たな刺激を得ると同時に、中国の映画の未来について考える習慣が育ぐまれるようになりました。これは正月映画の存在価値のひとつではないでしょうか。

長い間、海賊版映画の氾濫または中国映画自身のクォリティの低さなどの問題、それにアメリカ映画の強い勢力によって、市民にポケットマネーを出してまで映画館に中国映画を見に行こうと思わせるほどのよい作品が乏しかったです。しかし、正月映画の誕生によって、このようなブランクを埋めることができたのです。

春節って、なぜ中国人の一年の中で、最も重要な日なのか、それは、農耕民族である中国人にとって、春節は一年の始まりを告げてくれる日だからです。春節から、大地は息を吹き返し、万物は成長し始めるのです。

そんなわけで、チャイニーズムービー界に吹き込まれる春風のような正月映画によって、中国映画も経済の成長に負けないくらい、大きな発展を遂げることでしょう。



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