音声ファイル付

第27回 北京の現代アートスポットー798芸術区


北京市中心部から北東へ車でおよそ一時間離れたところにある「大山子」は最近国内外で注目されています。

以前冷戦期にここはミサイルの製造工場でしたが、いまはがらっと変わって中国現代芸術の発信地となり、「798芸術区」として名を馳せています。

芸術区に入ると、元の雰囲気のままでありながらも巧みに再利用されている施設や空間に私達の目が止まったのです。

かつての広いスペースを持つ工場は芸術品の展示ホールになり、壁に書かれた「毛主席万歳」の赤い字が鮮やかのまま、事務所はアートや建築学専門書店(現在北京でもっとも品ぞろえの良い店らしい)、作業場はバー、カフェーになった…

過ぎ去ったあの特別な時代が記されるここを見学すると、懐かしく思う年配の人が多いはずですが、兵器工場を芸術エリアに変身させようという大胆な発想はある日本人―東京の「銀座画廊」田畑幸人支配人によるものだと知っている人はいないかもしれません。

田畑幸人氏は早く1989年から日本に中国の芸術を紹介しはじめました。2年前の訪中時偶然にここ(大山子)に出会ったすぐ、画廊をふたつ設立したのです。

それから一年も経たないうちに50軒以上の画廊が建てられた他、クラブ、商店、更に安くておいしい東北料理店も出来ています。

古く、時代にふさわしくなくなった工場区から、中国前衛アートの顔をうかがえる地域に変身した798芸術区、これからどんなものができるのか、ユニークな一流ホテル?それとも芸術界の予備軍を育てる教育センター?…

期待しながら機会をみつけて是非直接行ってみてください。



もどる

info@bccs-jac.com


Copyright(C) 2002-2005 ジェイ・アンド・シーグループ All rights reserved.